フクロウblog | ドクター海老澤のコーナー

医療法人和楽会の「フクロウblog」です。治療や講演会などの様々な情報をお届けします。

ストレスチェック制度 (ケセラセラvol.94 秋)

医療法人和楽会 横浜クリニック 院長 海老澤尚

 

平成 27 年 12 月 1 日からス トレスチェック制度が始 まりました。労働安全衛 生法に定められ、ストレス チェックを実施することが 事業者の義務になっていま す(労働者数 50 人未満の事 業場は当分の間努力義務)。

①労働者のメンタルヘルス 不調の未然防止

②労働者自身のストレスへ の気づきを促す

③ストレスの原因となる職 場環境改善につなげる

が目的です。ストレスチェッ クの結果、高いストレスを 受けていると判定された労 働者(高ストレス者)から申 出があった場合、医師によ る面接指導を実施すること が事業者の義務になってい ます(申出を理由として労 働者に不利益な扱いをする ことは禁止されています)。(中央労働災害防止協会のHP [https://www.jisha.or.jp/stresscheck/about.html]より)メンタルヘルス不調につ ながる職場のストレスに早 く気づいて対応しましょう という制度です。

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職場での「うつ」の多様性について(ケセラセラvol.93 夏)

医療法人和楽会 横浜クリニック 院長 海老澤 尚

 

近年職場での「うつ」が注目されています。テレビやネット、雑誌などで特集が組まれることが増え、大きな関心を集めています。
職場での「うつ」は休養や抗うつ薬等の治療で回復する方も多いですが、なかなかよくならなかったり、再発を繰り返したり、復職しても欠勤がちだったり、職場で失敗が多く繰り返し注意されたり、周囲とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、などの問題を抱え、安定した回復に至らない方も少なからずおられます。

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過眠症(ケセラセラvol.92 春)

医療法人和楽会 横浜クリニック 院長 海老澤 尚

 

今回のテーマは過眠症です。日中に強い眠気を感じてうとうとしたり、居眠りを繰り返す疾患です。既にご紹介した睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群では夜ぐっすり眠れないための眠気ですが、ここでは夜眠っているはずなのに日中の強い眠気を感じる疾患をご紹介します。

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大人のADHD (ケセラセラ vol.91 冬)

医療法人和楽会 横浜クリニック 院長 海老澤尚

 

最近「大人の発達障害」という言葉をマスコミやネットでよく目にします。発達障害には自閉スペクトラム症(以前、アスペルガー障害や自閉症と呼ばれていた疾患を含む診断名です)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(障害)などが含まれます。発達障害は主に小児の疾患と考えられていました。しかし最近では、大人になってもその特性が残り、仕事や日々の生活に支障をきたす場合が少なくないことが明らかになっています。ここでは大人のADHDについて解説します。

大人のADHDは欧米の研究では人口の2.5%~3.4%(1)(2)に、日本の研究では1.65%(3)に存在するとされています。ADHDは小児では男性の方が多いですが、大人では男女差は小さくなります。
ADHDの特性には注意散漫と多動性・衝動性があります。
ADHDの特性は幼小児期から存在するはずですが、軽い場合は「そそっかしい」「忘れ物が多い」「落ち着きがない」「個性的」「集団行動が苦手」という性格上の特徴として捉えられ、大きな問題にならないこともあります。学生時代には、本人の特性を家族や友人・学校の先生などが容認・サポートしてくれる保護的な環境にいるので表面化せず、大人になって働き始め、本人が独立してコミュニケーションをとり、業務を遂行しなければならなくなって初めて問題点が表面化することもあります。職場や生活環境の変化後にADHDの特性が目立つようになり、気づかれることもあります。多動性・衝動性は十歳代で目立たなくなることが多いですが、注意散漫は成人後も残ることがしばしばあります。

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全般不安症 (ケセラセラ vol.90 秋)

医療法人和楽会 横浜クリニック 院長 海老澤尚

不安症の一種です。日常の様々なことに不安を感じて必要以上に心配するため、時間や気力を消費して生活に差し障りを生じる、「過剰な心配症」ともいえる疾患です。
日常生活のこと(仕事、学校、健康、お金、家族、将来、交友関係、「何か悪いことが起こるのではないか」、など)を広汎にわたって過剰に心配し、不安にとらわれます。心配している事が現実に起きる可能性や、それが起きた場合に受ける影響の大きさに比べて、不釣り合いに強い程度の心配や不安が半年以上続きます。心配の種が一つ解決しても、すぐ他のことが心配になるため、気が休まることがありません。その結果、神経の高ぶり、張りつめたような緊張感、ものごとに集中して取り組むことが困難、怒りっぽさ、イライラ、などを生じます。神経過敏になり、ちょっとしたことにびっくり(驚愕)しやすいこともあります。落ち着かなさ、疲れやすさ、筋肉の緊張や痛み、震え、睡眠障害、吐き気や下痢、発汗、頭痛、過敏性腸症候群などの身体症状を伴うこともあります。自分が適切に判断できたか不安で物事を決められなかったり、きちんと振る舞えたか心配になるため、様々な活動に参加するのを避けたりすることもあります。心配しすぎることを抑えようとしてもうまくいきません。子供の頃から自分の能力に自信がなく、うまく行動できたか過剰に心配したり、周囲から「大丈夫」という保証を過剰に求めることもあります。

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