フクロウblog | 将棋の話ーその3ー(ケセラセラvol.92 春)

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将棋の話ーその3ー(ケセラセラvol.92 春)

医療法人和楽会 神経内科・精神科 赤坂クリニック 院長 吉田 栄治

 

藤井四段はあっという間に六段になってしまいました。まず2月1日、順位戦C級2組の9回戦で全勝をキープし、C級1組へのトップ昇級を決めて五段となりました(C級1組になると五段になる規定)。そしてそのたった16日後の2月17日には、ベスト4に勝ち進んでいた朝日杯の準決勝でなんとあの羽生善治竜王を破り、決勝ではバリバリのA級棋士である広瀬章人八段を撃破して、プロ棋戦で優勝してしまいました。『五段昇段後に全棋士参加棋戦で優勝すると六段に昇段する』という規定があり、藤井五段はまだ中学生であるのにプロ六段になってしまいました。
もしかりに朝日杯の優勝が、順位戦の昇級より先だった場合は、そこで五段になって、そのあとC級一組への昇級が決まっても、その場合は五段どまりでした。天の巡り合わせですね。中学生でプロ六段というのは空前絶後の記録です。すごいです。
藤井六段はその後も快進撃を続け、3月8日には師匠の杉本昌隆七段に勝利し(杉本七段は負けはしましたが、対局後のとてもうれしそうな様子が印象的でした)、3月15日には順位戦の最終戦を勝利で飾り、再び連勝記録を15に伸ばしています。またまたどこまで記録を伸ばすのだろうかとわくわくしてきます。

それでは、前置きはこれくらいにして、将棋にちなんだ本題のほうを始めたいと思います。

悪手を指した時

まずい手を指した場合、それを悪手というのですが、プロでも必ず悪手を指すことがあります。その時に「アー、失敗したぁ」と気持ちを引きずってしまうと、さらに悪手を指して、さらに状況を悪くしてしまう。ですから、終わってしまったことを引きずらずに、その局面での最善手を指すことが大事になります。悪い状況なりに辛抱して、その状況での最善手を探す、その辛抱を続ける中でまたチャンスが回ってくるのを待つ、それが大事なわけです。
将棋の世界に限らず、このことは日常生活においても言えることだと思います。何か失敗をやらかしてしまった時に、とてもショックかもしれないですが、そのことを引きずらないで、とにかくその状況を一旦は受け入れて、その悪い状況での最善の対応は何かということを、気持ちを落ち着けて考えることが大切だと思います。深く反省することは、とりあえず、事(対局)がすんでからにするということですね。「最悪だぁ」と思われる状況でも、とにかく少しでも冷静になって、最善を尽くすことに気持ちを持って行きましょう。

ここまで書いてきまして、何やら似たようなことを、以前、一口コラムに書いた気がしてきまして、ちょっと過去のケセラセラを見返してみましたら、ケセラセラ2010年VOL60春号に『悔むということ』という題名で書いていました。その際の記事は、「悔むということには、再び同じ失敗をしないように、その失敗をしっかりと心に刻みつけるという意味があるのだ」という内容でした。今回の「失敗を引きずらないようにする」というお話とは少し観点が違いますが、ご興味ありましたら、和楽会のホームページからケセラセラのバックナンバーをご覧になれますので、あわせて読んでいただけたらと思います。
バックナンバーをご覧になる方法ですが、医療法人和楽会のホームページ(http://www.fuanclinic.com/index.php)を開いていただきますと、右側に『こころの季刊誌ケセラセラ』のバナーがありまして、そちらをクリックしていただければ、ケセラセラのバックナンバー一覧が出てまいりますので、そちらから読みたい号をクリックなさってください。ちなみに私の一口コラムは、VOL36から連載しております。最後はちょっと自己PRになってしまいました(笑)。