フクロウblog | 美味佳肴(びみかこう) (ケセラセラvol.94 秋)

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美味佳肴(びみかこう) (ケセラセラvol.94 秋)

医療法人和楽会 なごやメンタルクリニック 院長 岸本智数

 

気象庁が災害レベルの暑さに警戒を呼び掛ける日が続く中でこの原稿を書いています。名古屋では連日 37 度前後の酷暑が続き、8月3 日に40.3度と観測史上初めて40 度を越え、76 年ぶりに最高気温を更新しました。
7月に梅雨が明けてから酷暑が1ヶ月以上続き、お盆前後からいわゆる夏バテで少し調子を崩す方が多くみられています。今年は暑さだけでなく、台風の発生件数といい、異常気象が続いていますので、無理はなさらないようにしてください。

さて、梅雨が明けてからは前述の酷暑のために、お昼の散歩がほとんど出来ませんでした。今回はお盆休みに富士山近郊を満喫してきましたので紹介します。行き帰りの新幹線の窓からの富士山はわずかに裾野が見えるのみでしたが、2 日目の早朝 の数時間、山梨県の河口湖に写る逆さ富士とともに綺麗に見え、さらに4 日目に富士山をぐるっと回って静岡県富士宮市の白糸の滝に寄った道中にも綺麗に見えました。夏の富士山は上昇気流によってできる雲によって全体が見えることが少ないと聞いていたので、山梨県側からも静岡県側からも全体がきれいに見えたのは非常に幸運でした。富士山の見え具合について調べてみますと、静岡県富士市が平成3年から継続して観察を行っているデータがありました。平成3年から平成29年の平均で、富士山が全く見えない割合は、7月が76.7%、8月が66.2%で、全体が見える割合が、7月が9.7%、8月が14.8%だそうです。月ごと、時間帯ごとのデータなどもまとめら れていますので、興味がある方は、「富士山観測の記録 富士市役所」で検索してみられてはいかがでしょうか。

富士山写真

富士山自体についても調べて みますと、富士山は山梨県と静岡県のちょうど県境に位置し て、富士8合目以上は富士山本 宮浅間神社の神社私有地だそうです。てっきり国有地だと思っていましたので、とても驚きました。一般的 に静岡県側からの富士山を表富士、山梨県側からを裏富士と認識されているそうですが、富士五湖はすべて山梨県側にあって千円札に描かれているとか、静岡県側からは葛飾北斎の富岳三十六景色を代表とする海と富士山の光景が見られるとか、山梨県民と静岡県民で喧々諤々の議論が繰り広げられてきたそうです。

 

今回富士山とともに、もう1つ素敵な出会いがありました。それは、「ほうとう」です。ウィキペディアによると、小麦粉を練りざっくりと切った太くて長い麺を、カボチャなど野菜と共に味噌仕立ての汁で煮込み、熱いうちに提供される料理とされています。見た目は似ていますがうどんと異なり、グルテンの生成による麺のコシは求められ ないため生地を寝かせないことが多く、塩も練り込まないため湯掻く必要がなく、生麺で煮込むのが特徴だそうです。宿の近くにあったほうとう屋さんで夕食を食べてあまりに美味しかったので、次の日も別のほうとう屋さんで食べましたが、これもまた美味しかったです。味噌味とカボチャの甘味、たくさんの野菜、汁のとろみが合わさって絶品でした。子供達も大喜びで、家に帰ってきてからも、買って帰ってきたほうとうを使って、何度か食べましたが、家でも変わらぬ美味しさです。山梨県ではあんなに見たほうとう屋さんを、こちらでは全く見かけません。こんなに美味しいのに、なぜ全国区ではないのか不思議でなりません。ちなみに、ほうとうの起源は、風林火山で有名な甲斐の戦国武将、武田信玄の陣中食(戦の際に食された野戦糧食の一種)とも言われているそうです。確かに、小麦粉を練ってざっくり切って、お鍋でお湯を沸かして野菜と一緒に煮込んでお味噌で味付けすれば出来て、美味しくて栄養があるので、陣中食にはうってつけですね。しかも寝かせることによるグルテン生成を要しないということは、もしかすると古くて新しい グルテンフリー食ともいえるかもしれません。

今回約 8 年ぶりの富士山近郊訪問でしたが、また新たな発見や出会いがありました。連日の酷暑でたまってきていた疲労も、美しい富士山を眺めて美味しいものを食べて解消出来ました。近場でも遠出でも、こういう様々な新しい出会いがあるので、散歩や旅行は本当に楽しいですね。