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夜更かし・寝坊とメンタルヘルス(ケセラセラvol.95)

医療法人和楽会 横浜クリニック 院長 海老澤尚

 

ケセラセラNo.84で、夜型の生活リズム(入眠時刻/覚醒時刻が遅く、1日の中で遅い時間帯に活動性のピークを迎える、いわば「夜更かし、朝寝坊タイプ」)の人は朝型(入眠時刻/覚醒時刻が早く、1日の中で早い時間帯に活動的になる、「早寝早起きタイプ」)の人に比べて「うつ」になる率が高く、「うつ」になってからの回復率も低いという研究をご紹介しました。夜型の傾向が強いほど、「うつ」の症状が重い傾向があることも知られています。うつ病では午前中の方が気分の落ち込みが大きい(気分の日内変動)ことがしばしばありますが、これも夜型の人に多いようです。

このほかにも夜型の生活リズムとの関係が報告されているメンタル疾患がいくつかあります。

1.双極性障害

双極性障害の人には夜型が多いことが報告されています。
また、「夜型」の生活パターンがより極端になるとNo.86でご説明した睡眠相後退症候群(深夜まで、あるいは明け方まで寝付けず、翌日は昼頃まで起きられなくなる睡眠障害)や非24時間睡眠覚醒症候群(毎日寝る時間と起きる時間が少しずつ遅くなるため、昼夜逆転と、通常の睡眠を繰り返す)という、睡眠覚醒リズムが遅れる疾患を発症することがあります。うつ病に比べ双極性障害の方が、睡眠相後退症候群や非24時間睡眠覚醒症候群を伴っている割合が3倍以上高く、うつ状態の人が、うつ病なのか双極性障害なのかを区別するのに役立つことが、最近日本の医学研究者によって明らかになりました(1)。

 
2.注意欠如多動症(ADHD)

ADHDでも夜型の人が多いとされています。そこで、朝に高照度の光を照射したり、体内時計のリズムを補正する効果のある睡眠導入剤を用いて夜型の生活リズムを改善させると、ADHDの症状も軽減したという報告もあります。また、ADHDの人は健常者よりも睡眠相後退症候群を発症するリスクが高いという研究もあります。

 

3.飲酒・喫煙と夜型

夜型の生活リズムの人は飲酒や喫煙などの刺激物を摂取する人の割合が高く、また、飲酒量が多く、アルコール使用障害の有無を判定するテストの総得点が高い(アルコール使用障害のリスクが高い)ことが報告されています。
残業、夜遅くまで開いている商店・飲食店、四六時中見ることができる動画、時刻に関わらずに交わされるSNSコミュニケーションなど、夜型の生活リズムになる誘惑が多いのが今の社会ですが、「早起きは三文の徳」という古くからのことわざは、メンタルヘルスでは今も一理あるようです。

 

(1) Takaesu, Y, Inoue, Y, Ono, K, et al.: Circadian rhythm sleep-wake disorders as predictors for bipolar disorder in patients with remitted mood disorders. J Affect Disord. 220; 57-61, 201

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