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新しい刺激を求めるということ(ケセラセラvol.88)

医療法人和楽会 心療内科・神経科 赤坂クリニック 院長 吉田栄治

 

シャープペンシル

私は本を読むとき、大事なところに線を引く癖があり、あとから修正もできるように、少し大きめの消しゴムが付いたシャーペンをいつも使っていまして、読書の際には必需品としています。ちょっとしたシャーペンマニアのところもあり、いろいろな種類のものをもう何本も持っているのですが、昨年末頃に、淡い金色の新しいシャーペン(もちろん消しゴム付きです)を文具店で見つけて購入しました。買ったばかりのころは、この淡い金色がなかなか良い色合で、使うたびに新鮮な気分になり、新しいシャーペンはやっぱりいいなあと、ちょっとほくそ笑みながら使っていました。今は大分慣れてきてしまって最初の感激はなくなっているんですが、今もお気に入りのシャーペンではあります。

パソコンとタブレット

実は昔からパソコンも趣味でして、もう30年以上前、研修医になりたての頃に、エプソンのラップトップパソコン(ノートパソコンより少し大きめで、膝の上にのせて使うこともできるという意味でラップトップと言われていました)を買ったのが最初でしたが、以来、4、5年ごとに新しいパソコンに買い替えてきました。Macは少々値が張るので、私の場合はもっぱらMS-DOS~Windowsの流れでし た。Windows3.1以降、現在のWindows10に至るまで、数年ごとに新しいパソコン(主にノートパソコンです)を購入してきましたが、新しいパソコンを買うたびにワクワクしたものです。誰しも新しいものを手にしたときは心躍るものですよね。
そんな私も、スマホやタブレットの購入は遅かったですね。年を取ったせいでしょうか、若い頃のようには新しいものに飛びつくエネルギーがちょっと乏しくなったようで、ようやく3 年ほど前にガラケーからスマホに切り替え、ちょうど同じころにiPad miniも購入して、タブレットもデビューしました。昨年は9.7型のiPad Proが出て、画面がとても鮮明で少し大きくなったのと、スマートキーボードの文字通りのスマートさに惹かれて購入してしまいましたが、しばらくは、とても新鮮な感覚で、ワクワクしながらとても気分よく使っていました。今は、だんだん慣れてしまって、買った当初の感激は薄れて、普通に活用しています。

なぜ新しい刺激を求めるのか

このシャーペンにしろ、ノートパソコンにしろ、タブレットにしろ、新しいものを手に入れた時のワクワク感ということを考えてみた時に、なかなか興味深いなと感じました。これは、脳というものが、そもそも新しいものに惹かれるという性質を持っているということなんでしょうね。新しいものを手に入れた時、あるいは新しいことを始めた時、あるいは新たにどんどん成長しているときなど、脳細胞は神経の新しい枝を伸ばしていっていて、その際に喜びを感じるようになっているんだろうなと思います。ですから、スポーツであるとか、音楽や絵画などの芸術であるとか、いろいろな分野のスキルが上達している時にも、脳がそのニューロンのネットワークをどんどん広げていっていて、それに喜びを感じる。新しい世界が心の中でどんどん開けていく時の喜び、それは、スキーのゲレンデで、まっさらなコースを滑る時の喜びにも似ているのだろうなあと思います。

新しいことの発見

何か新しい発見がある時であるとか、技能が上達している時というのは、そのことを何度繰り返しても飽きが来ないものですよね。ですから、たとえば小さい子供というのは、何をするにしても全てが新しいことで、ずっと同じことをやっていても、その都度、新しい発見があるものだから、いつまでも飽きないのでしょうね。ところが大人になると、もう大抵のことに慣れてしまっていて、新鮮な喜びを見つけるということが難しくなってきてしまっている。ですから大事なことは、じっくりと物事に取り組み、その中から何かしら新たな発見をしていけるようにするということなのだろうと思います。
また一方で最近の世の中は、モノにしろ情報にしろ、いろいろな刺激にあふれていて、次々に新しいモノに目が行ってしまってすぐに飽きが来てしまう、という悪い循環が顕著になってきているのではないかと思います。新しい刺激ばかりを際限なく求めるようになり、心はどんどん疲弊していってしまっているのではないでしょうか。一つのものをじっくりと深めていく、極めていくという方向に気持ちをもっていくことが大事ではないかと、つくづく思います。

いつまでもずっと大切なもの

あ、あと、言い忘れていました。古いものをずっと大事にするという場合もありますね。愛着があって絶対に捨てられないというものもあるわけで、まあ、とてもお気に入りの骨董品であるとか、昔の大事な大事な思い出の品であるとか、新しいものには決して代えられない、そういうものもありますね。
古女房などと言いますが、ここは、その大事なものに入れておかないと、まずいですね。そうしないと、「何よ、古亭主!」と言われて、逆にこちらが愛想づかしを食らってしまいそうです。

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