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「パニック障害に負けない」 〜不安恐怖症の体験・克服記〜 貝谷久宣 パニック障害は一般の人々、患者さんの周辺にいる人々、心療内科や神経科の専門医を含めた医療関係者が考えているよりもはるかに大変な病気です。この大変さは、この病気にかかった人とパニック障害の専門医以外にはまだ十分に理解されていません。米国ではある病気についての生物学的、社会学的揖失度を算定することがしばしばなされています。そのような研究によると、パニック障害が診断されないと、種々の検査をつぎつぎに受けます。また、仕事にもなかなかせいが出ません。そうすると、年間一人あたりの医療費および本人が就業でさないことによる揖失額は1000万円にものぼります。このような方法で他の病気とパニック障害を比較すると、うつ病よりも社会的揖失度は大きく、狭心症とほぼ同じくらいであると見積もられています。 この本は患者さんの手記が中心になっています。とりわけ、芥川賞作家である南木佳士先生の医師としての実感的パニック論は白眉の体験論の一つであると思われます。さらに、東京大学名誉教授の辻村明先生には森田療法の見地から貴重なご意見を提出していただきました。寄稿の労を執っていただいたこの御二方ならびに多くの患者さんに紙上を借りて御礼申し上げます。 この本は、このようなパニック障害の大変さを多くの人々に理解していただく助けになるとともに、パニック障害患者さんには、同病の仲間がどのように感じ、どのように対処しているかといった情報を提供するものです。拙著『不安・恐怖症−パニック障害の克服』(講談社)が教科書的な本であるとすれば、本書は貝谷久宣/不安・抑うつ臨床研究会編『パニック障害』(日本評論社)とともに、参考書的な位置を占めます。 最後に、一人でも多くの人々にパニック障害が理解されることを念じつつ、本書の船出を見送りたいと思います。 平成11年10月吉日 貝谷久宣 ある朝、突然に 自分を癒すために書く (南木佳士氏に聞く) 森田療法による不安神経症の克服
「仕事を辞めればよくなる」と言われて 「ダメになる日」はある日突然やってくる ひとりで運転、あと一歩 失った自信、取り戻した自信 早期発見・早期治療の大切さ 社会復帰 仲間どうし励まし合い、支え合う
不安・抑うつ臨床研究会 不安症(不安障害)の患者さんは多いのですが、社会におけるこれらの障害への理解はなお不十分で、患者さんはどこに助力を求めたらよいか迷っているのが現状です。不安・抑うつ臨床研究会は、不安障害と感情障害についての臨床研究を行ない、治療を提供する人々と治療を受ける人々に最新の情報を提供し、この分野の医療水準を高めることを目的として、精神神経科、心療内科の専門医、および臨床心理士の有志によって設立されました(代表:貝谷久宣)。研究会の事務局は、心療内科・神経科赤坂クリニック(東京都港区赤板3−9−18 B.I.C.赤坂ビル6階 phone03-5575-8198:fax03-3584-3433)にあります。 |