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出版社 : 日本評論社
PANIC DISORDER : CLINICAL DIAGNOSIS, パニック障害 病態から治療まで
デービッド・J・ナット 久保木富房 パニック障害はいろいろな点で重要な臨床診断である。ひとつには,そのパニック発作が三環系抗うつ剤による治療に特異的に反応することが観察されたことによるのであるが,パニック障害が,生物学的反応によって定義された最初の精神医学的症候群だという点である。このことは,ある障害を生物学的理解にもとづいて分類するという新たなしかも重要な精神医学疾病論の分野を多くの人々に垣間見せてくれているひとつの例であることを意味する。また,その有病率や重篤さや,もたらす個人的損害や経済的損失がますます明らかにされてきた点からしても,パニック障害は重要である。 また,パニック障害研究は,生物学的精神医学や社会精神医学や,心理学における研究にとって魅力的な領域である。実際,パニック障害の知見やその治療をめぐる精神医学者と心理学者との間のさまざまな交流は(それが肯定的であれ否定的であれ)この2つの学問分野における活気にみちたますます発展しつつある領域を形づくっている。 編者らは,こうしたパニック障害の持つ重要性やその将来果たす役割をめぐっての知見の数々が形づくる臨床面,研究面の領域を,この一巻にまとめることにした。そこで,各国のエキスパートに会って,極めて重要であると見なされるいくつかの領域をターゲットとしているそれぞれの章の担当を依頼した。 本書は,パニック障害の問題に興味を抱いているすべての読者を対象にしている。本書には,臨床に携わる人々のための臨床診断や治療に関する情報がふんだんに盛り込まれている。また,この領域における研究によって明らかにされつつあることがらの現時点における概観もなされており,まだ広くは知られていないがしかし重要な最新の生物学的発見の数々もとりあげられている。さらに本書は,その領域の世界的リーダーが担当した心理学的理論と治療に関するいくつかの章も備えている。 この世紀の終わりに臨んで,本書が,来るべき次の千年期に向けて,パニック障害の研究と治療の望ましい発展のために強力で実効を備えた基盤として役立てられることをわれわれは期待している。 デーピッド
ナット David Nutt 第1章:不安神経症.パニック障害,それとも…… 第2章:パニック障害の疫学,comorbidityと遺伝 第3章:パニック障害:経過,病因,予後 第4章:パニック障害の医療経済学的観点 第5章:パニック障害の脳内機構とサーキット 第6章:パニック障害と呼吸の関連についての現在の知見 第7章:パニック障害の心理学的理論
第8章:パニック障害の身体医学的局面と 第9章:三環系抗うつ薬とMAO阻害剤による治療 第10章:ベンゾジアゼピンによる治療 第11章:パニック障害におけるSSRl 第12章:その他の薬物療法および増強療法 第13章:パニック障害の心理療法 第14章:概括と将来の展望 サンドラ・L.ベーカー アンドレア・L.マリツィア 井上雄−(いのうえ・ゆういち/順天堂大学医学部精神医学講師)第1章、第14章 石田展弥(いしだ・のぶや/琵琶湖病院副院長)第2章 竹内龍雄(たけうち・たつお/帝京大学医学部附属市原病院精神神経科教授)第3章 野村 忍(のむら・しのぶ/早稲田大学大学院人間科学研究科教授)第4章 陳 峻雯(ちん・しゅんぶん/早稲田大学大学院人間科学研究科・心療内科神経科赤坂クリニックカウンセラー)第4章 貝谷久宣(かいや・ひさのぶ/なごやメンタルクリニック・心療内科神経科赤坂クリニック理事長)第5章 原田誠一(はらだ・せいいち/三重大学医学部精神神経科講師)第6章 熊野宏昭(くまの・ひろあき/東京大学大学院医学系研究科ストレス防御・心身医学助教授)第7章 境洋二郎(さかい・ようじろう/東京大学大学院医学系研究科ストレス防御・心身医学)第7章 坂元 薫(さかもと・かおる/東京女子医科大学神経精神科助教授)第8章 塩入俊樹(しおいり・としき/新潟大学大学院医歯学総合研究科精神医学分野助教授)第9章 山中 学(やまなか・がく/東京女子医科大学附属第二病院内科)第10章 笠茂公弘(かさも・きみひろ/万有製薬臨床医薬研究所上級主任研究員)第11章 高橋良斉(たかはし・よしなり/上野病院)第12章 坂野堆二(さかの・ゆうじ/早稲田大学大学院人間科学研究科教授)第13章 久保木富房(くぼき・とみふさ/東京大学大学院医学系研究科ストレス防御・心身医学教授)訳者はしがき |