嘔吐恐怖症の治療をします!!

嘔吐恐怖症カウンセリング

嘔吐恐怖症を克服するためのカウンセリングをおこなっています。
カウンセリングスケジュール
 全3日間
 1日目 3時間
 2日目 4時間
 3日目 3時間   計10時間
上記スケジュールにつきましては、ご都合によってはお時間の調整は可能です。
症状の重症度によっては、上記の10時間のスケジュールが終わった後カウンセリングを継続することもございます。その場合は、当院で行っております通常のカウンセリング(50分10500円自費)に移行いただくこともございます。
カウンセリング担当    臨床心理士
カウンセリングまでの流れ
 当院の治療方針としまして、カウンセリング受けていただく前に必ず医師の診察(保険適応)を受けていただくことになります。まずは、医師に病気の相談をしていただき、カウンセリング適応ならば、その後心理士とカウンセリングを始めることになります。
お申込み方法 
 まずは、赤坂クリニックにお電話いただき、医師の診察予約をとっていただきます。その際に「嘔吐恐怖症でカウンセリングを希望している」との旨をお伝えいただけますとスムーズに予約が取れます。

医療法人和楽会
心療内科・神経科 赤坂クリニック 03−5575-8198

その治療法とは・・・

 今まで回避していたあなたの恐れる場面や状況を避けるのではなく、徐々に直面していくことによって恐怖感や不安感を減らしていく方法です。この治療法が行ないやすいソフトがあります。このソフトを用いることによって、恐怖の少ないリアルではない嘔吐場面の絵から、徐々にリアルな嘔吐場面の絵、そして写真からビデオへと、恐怖を、段階を追って克服していくことができるようになりました。 以下に事例を紹介します。

事例 その1

【プロフィール】
Aさん 40代女性 主婦 子供は息子3人(10歳、8歳、5歳)

【カウンセリングを受ける前の経過】
 Aさんは、4歳の頃、母親が洗面所で嘔吐している現場を目撃したことをきっかけに嘔吐に対して恐怖感と不安感に襲われるようになりました。嘔吐に対する恐怖感や嫌悪感は小学校・中学校・高校とずっと続き、大人になり結婚してもかわりませんでした。
結婚したAさんは、3人の男の子にも恵まれました。長男が生まれた時に、授乳後のゲップで多少ミルクを吐いたときにも、かなり怖かったが何とかなりましたが、子どもが風邪をひいて吐いた時には怖くて面倒を見ることができず、子どもが風邪をひくと実家の母親に来てもらっていました。Aさんは、外出して体調が悪そうな人がいると嘔吐するのではないかと非常に気になり、駅構内や歩道で吐しゃ物があると身体が強張ってその道を避けて迂回してしまいます。先日、一番下の子が風邪をひいたため、母親といっしょに病院に連れて行きましたが、その時に子どもが吐いてしまい、自分は怖くて逃げてしまいました。それを見た看護師さんから「お母さんでしょ・・・」と叱られたため、何とかこの嘔吐恐怖を治したいと思い、医師の診察をうけて薬物療法を始めるとともに心理士のカウンセリングを受けることにしました。

【カウンセリング経過】
 カウンセリングでは、まず心理士にこれまでの経過を話した後、カウンセリングの治療目標を決めました。Aさんは、嘔吐場面に遭遇したときに感じる不安感と恐怖感を少なくしたいという希望と、家族が体調をくずして嘔吐したときに近づくことができず看病することができないことが非常に苦痛であると話したため、治療目標は「家族が体調をくずし、気持ちわるそうなときや嘔吐しているときに傍にいて背中をさすってあげることができるようになること」としました。その後Aさんは、嘔吐への恐怖感に慣れるために、嘔吐場面の臨場感の少ない絵を見る事からはじめ、絵になれてきたら写真をみることに移り、その後は嘔吐場面のビデオを繰り返し、恐怖感がなくなるまで見続けました。このように、恐怖度の異なる課題の1つ1つを恐怖感がなくなるまで繰り返し直面し慣れていくことによって、Aさんは、子どもが気持ち悪いと言っても、前ほどどきどきしなくなってきた。最終的には、治療者の作った嘔吐物(似せてジューサーで作ったもの)もみられるようになり、Aさんより「今週、子どもが風邪で吐いたんですが。思ったよりはどきまぎはして母親には手伝ってもらいましたが、今までのように震えで別の部屋に逃げてしまうということはありませんでした。子どもが2回目にトイレで吐こうとしたときには、自分が背中をさすってあげられ、母親も驚いていました」ということが語られました。

事例 その2

【プロフィール】
Bさん 20代 男性 独身 会社員

【カウンセリングを受ける前の経過】
Bさんは、20代前半にノロウィルスに感染し、嘔吐と下痢を繰り返しました。5日間程度で良くなりましたが、このことがあって以来、嘔吐することが非常に怖くなってしましました。ノロウィルスにかかる前は吐く事が怖いと意識することはありませんでした。しかし、ノロウィルスにかかりひどい嘔吐と下痢になってからは、少しでも気分が悪くなると嘔吐するのではないかと怖くなり、食事も満腹まで食べないように制限し、生ものは避けるようにし、人ごみの多い場所に行くときは、風邪やノロウィルスにかかるのはないかとビクビクするようになりました。それから、夜のカラオケや居酒屋は嘔吐する人がいるのではないかとビクビクし、できるだけ誘いも断り行かないようにしてしました。家族や友人に「吐くのが嫌だ、怖い」と相談しても、「誰だって吐くのは嫌だよ」「いざとなったら吐けるよ」と言われ、相手にしてもらえませんでした。
 悩んだBさんは、何とか嘔吐恐怖を克服したいと思い、治療を受ける決意をしました。

【カウンセリング経過】
 Aクリニックで治療を開始したBさんは、まず心理士から嘔吐恐怖の治療法の説明を受けました。その治療法とは、嘔吐に関する絵や写真や映像などを刺激の弱いものから順々に立ち向かい、慣れていくというものでした。最初は躊躇したBさんでしたが、できそうなものからという説明を受け、納得して治療に向かう気持ちをかためました。
まず、嘔吐のキャラクタ−の絵から始めたBさんは、ぱっと絵(例の絵@)を見た瞬間は「気持ち悪い、怖い」と感じましたが、3分・・・5分・・・10分・・・と絵を見続けるうちに、怖さがだんだんと薄らいでいきました。

 さまざまな嘔吐の絵を十分に慣れるまで見続けて、絵では恐怖を感じなくなったBさんは、次は嘔吐の写真を見ることを始めました。嘔吐の写真は絵に比べるとリアルで、自分の嘔吐の時のことを思い出して、少し胸がむかむかすることもありましたが、写真にも徐々に慣れたBさんは、写真の次は嘔吐する音、そして嘔吐している映像と徐々に課題のレベルを上げていきました。嘔吐の絵や写真や映像に慣れることにより、他人が嘔吐している場面に遭遇しても大丈夫そうだと自信がついたBさんですが、嘔吐物にはまだ抵抗感がありました。そこで、心理士と話し合い、嘔吐物を片付けるという課題も練習したところ、嘔吐物への抵抗感も少なくなりました。
治療によって自信をつけたBさんは、夜のカラオケや居酒屋に誘われても、嘔吐恐怖を理由に断ることがなくなり、実際に夜のカラオケや居酒屋に行ってもビクビクすることもなくなりました。