和楽会認知行動療法センター 和楽会認知行動療法センターの診療案内

和楽会認知行動療法センターについて

和楽会認知行動療法センター所長/東京家政大学・東京家政大学大学院教授 福井 至  和楽会認知行動療法センター所長/東京家政大学・東京家政大学大学院教授 福井 至

認知行動療法について

 認知行動療法とは、1980年代から世界的に広まった、最も効果的な心理療法です。1962年に発表されたエリスの論理療法や、1963年に発表されたベックのうつ病の認知療法などが、それ以前からあった行動療法と統合されて出来上がったのが、認知行動療法です。わが国では、2010年にうつ病の認知療法・認知行動療法が、2016年には不安症の認知療法・認知行動療法が医療保険の対象となっています。つまり、認知行動療法というのは総称であって、その中にうつ病の認知療法・認知行動療法や各種不安症の認知療法・認知行動療法などがあり、それぞれ疾患ごとに最も効果的な治療手続きが決められています。

心理療法とカウンセリングについて

 ところで、心理療法とカウンセリングという言葉は一般的には同義語のように使われており、本ホームページでも心理療法をカウンセリングとしていますが、専門的には異なっています。つまり、カウンセリングというのは相談と訳され、利用者さんはクライエントと呼ばれ、健常者であるとされています。ところが心理療法は、英語ではサイコセラピーと言い、治療法の「療」の字が入っているように、病気の治療法であり、利用者さんはクライエントとよばれることもありますが患者さんということになります。カウンセリングで最も用いられている方法は、ロジャースが開発したパーソン・センタード・セラピーです。この方法は、クライエントさんに自由に話していただき、カウンセラーは共感的に傾聴することで、クライエントさんの自己治癒力を賦活させて適応状態を回復していく方法です。この方法でも、各種疾患をもった患者さんのうち、自分でどうしたら治れるか気づいた方の場合には、病気が治ることがあります。しかし認知行動療法では、どうしたら治れるかを丁寧に説明し、心理療法家とともに、治療方法を決めて実施しますので、治癒確率はパーソン・センタード・セラピーより格段に高くなっているのです。和楽会認知行動療法センターの心理士は、全員が心理系の大学院を卒業した修士号や博士号を持った心理士ですので、認知行動療法も、また病気未満のカウンセリングもどちらにも対応できます。

守秘義務について

 心理療法やカウンセリングをお受けになる場合に、守秘義務についてご心配になることもあると思われます。心理療法家が心理療法やカウンセリングをする場合には、公認心理師法や日本臨床心理士会の倫理綱領などで守秘義務が課されていますので、安心してお話ししていただけます。ただし、1.自殺や他者に危害を加える恐れのある時、2.DVや虐待をうけていると判断されるとき、3.裁判所の開示請求などがあったとき、には守秘義務よりも患者さんを守ることなどが優先されますので、適切な対応をさせていただくことになります。

心理療法(カウンセリング)の種類

 和楽会認知行動療法センターでは、左側のカウンセリング(病気別)にあるように、うつ病/非定型うつ病、パニック症(パニック障害)、社交不安症(社交不安障害)、強迫症(強迫性障害)、いろいろな恐怖症(限局性恐怖症)、などを対象とした認知行動療法を実施しています。また、対象の病気を特定していないカウンセリングのように、各種の不適応や病気に効果のある、リラクセーション法なども実施しています。
それぞれの病気については、和楽会の最初の画面(http://www.fuanclinic.com/index.php)の診療内容に説明が出ていますので、そちらをご参照ください。
 また、カウンセリング(種類別)にあるように、ガイダンス、集団療法、個人療法、リラクセーション・トレーニング、バーチャルリアリティー暴露療法、マインドフルネス、セルフ・モニタリング・システムなどの種類があります。ガイダンスは集団形式で、非定型うつ病ガイダンス、パニック症(パニック障害)ガイダンス、社交不安症(社交不安障害)ガイダンスの3つがあります。こちらは、医師による診察を受けていて、医師から勧められた方やそのご家族が一緒に参加できます。同じ症状でお困りの方が集まり、病気やその治療方法について正しい知識を身につけることができます。集団療法には、うつ病の集団認知行動療法・復職支援プログラム(集団療法)と、広場恐怖を克服するセミナー(集団療法)、および社交不安症の集団認知行動療法(集団療法)があります。うつ病の集団認知行動療法・復職支援プログラム(集団療法)は、うつ病で休職した方が、順調な復職と再発防止のために受けられるプログラムです。また、広場恐怖を克服するセミナー(集団療法)は、広場恐怖の症状で、電車に乗れない方のためのプログラムです。社交不安症の集団認知行動療法(集団療法)は、大勢の人前で話すことが不安な方や、1対1でも人との関わりに不安や恐怖を感じる方を対象としたプログラムです。個人療法には、個人カウンセリング(個人療法)と、嘔吐恐怖症の集中カウンセリング(個人)があります。個人カウンセリングは、対象疾患は多岐にわたっており、それを個別心理療法として実施するものです。また、和楽会と東京家政大学福井研究室で共同開発した嘔吐恐怖症のコンピュータを用いた治療プログラムがあり、それを用いた個人療法を行うのが、嘔吐恐怖症の集中カウンセリング(個人)となっています。リラクセーション・トレーニングは、自律訓練法、筋弛緩法、呼吸法などといったリラクセーション法を、バイオフィードバックを用いつつ練習していくものです。バーチャルリアリティー暴露療法は、最新の認知行動療法の技法の一つである、バーチャルリアリティーを用いて、飛行機恐怖、雷恐怖、スピーチ恐怖、高所恐怖、蛾・蜘蛛恐怖などを治療するものです。マインドフルネスは、認知行動療法の最先端の方法のひとつであり、仏教がアメリカにわたって、その修行法の一部が科学的に心理療法もしくはストレス低減法になったものです。セルフモニタリングシステムは、パニック障害の治療を補助するスマートフォンを用いた支援システムです。

和楽会の認知行動療法史

 和楽会の認知行動療法は赤坂クリニックが設立された当初、日本に認知行動療法を導入された元早稲田大学教授、現北海道医療大学名誉教授の坂野雄二先生が担当されておられました。その後、現在鹿児島大学医学部の小山徹平先生など早稲田大学大学院卒の臨床心理士が加わり、その後現在和楽会認知行動療法センター長をさせていただいている東京家政大学教授の福井至が加わりました。その後続々と、坂野雄二教授と貝谷久宣理事長門下の心理士が和楽会で認知行動療法の実践と研究に励み、多くの方が現在大学教員として世界中で活躍しております。
 2004年には、和楽会認知行動療法センターの前身である「東京サイバークリニック」が、和楽会理事長貝谷久宣先生と現顧問イームス・ダグラス先生のもと、赤坂クリニック内に開設されました。東京サイバークリニックでは、「最新の科学技術を用いた治療を提供する」という理念の元、バーチャルリアリティーとバイオフィードバック装置を用いた日本初の治療法を行っていました。また当時から、早稲田大学や東京家政大学と共同研究もおこない研究面にも力をそそいできました。そして、2011年に認知行動療法の治療と研究を行なう総合機関として、「東京サイバークリニック」改め「和楽会認知行動療法センター」が開設されております。
 さらには、和楽会では1993年の赤坂クリニックの開院と同時に、理事長が研究機関として不安・抑うつ臨床研究会を、久保木富房東京大学名誉教授(心療内科学)、樋口輝彦国立精神神経医療研究センター名誉理事長(精神医学)、加藤進昌東京大学名誉教授(精神医学)、岡崎祐士前松沢病院長(精神医学)、竹内龍夫帝京大学名誉教授(精神医学)、野村忍早稲田大学教授(心療内科学)といった方々と設置、運営をしてきました。また2006年には、この不安・抑うつ臨床研究会を母体として、認知行動療法の我が国における普及のために、NPO法人東京認知行動療法アカデミーを設置し、医師・看護師・臨床心理士・教師・社会福祉士・精神保健福祉士・産業カウンセラーなどを対象に毎年3~5回のワークショップを実施してきております。さらに、和楽会認知行動療法センターでは、2016年の不安障害の認知療法・認知行動療法の保険収載のための準備及び研究を、千葉大学医学部の清水栄司教授とともに行いました。以上のように、和楽会認知行動療法センターとしては、患者さんの治療に真摯に取り組むのはもちろんのこと、さらに最新の効果的な治療法の開発や普及に努めてまいりました。
 また、和楽会としては、患者さんご本人のみならず、患者さんご家族のために、1995年から不安の医学-都民講演会を毎年開催してきております。病気の治療のためには、患者さんご本人の努力はもとより、患者さんご家族の病気の理解および治療へのご協力が必須のものとなります。そのため、以前パニック障害であった患者さんに、治癒経験をお話ししていただくなど、患者さんご本人およびご家族のためのプログラムを毎年開催してまいりました。

医療法人和楽会認知行動療法センターの方針

 このように、患者さん、患者さんご家族を含む周囲の方々、および医師、看護師、その他精神保健福祉士など医療関係者の方々のご協力のもと、和楽会認知行動療法センターは活動させていただいてきております。今後も、和楽会理事長貝谷久宣のstate of the artの診療という診療方針のもと、認知行動療法センターも患者さんとともに、最新の知見に基づく最も効果的な心理療法を実施していく所存です。また、患者さんのご協力のもと、患者さんの疾患治療に最も効果的な心理療法を求めて研究開発に努めていきます。
 和楽会認知行動療法センターでは国の治療ガイドラインに則った、最先端の効果的な心理療法を実施していきますので、安心して心理療法もしくはカウンセリングを受けていただければ幸いです。