眠りを科学しよう(1)

 クリニックに来る患者さんたちの訴えでいちばん多いのは不眠ジャ。眠れないことを解決するにはまず眠りについてよく知ることジャナ。我々が生きる活動のなかにはいろいろなリズムがあるといわれている。女性の生理は約1ケ月のリズムジャが、体温、血圧、脈拍、ホルモン分泌などは1日周期のリズムを持っている。これを日周リズム(サーカディアン・リズム)と呼んでいる。もちろん睡眠も日周リズムになるわけダ。この日周リズムは脳の中にある生体時計によってきちんと調子が合わされている。だから毎日同じ時間になるとちゃんと眠くなるというものジャ。このリズムの調子を狂わさないようにするのが肝要ジャ。徹夜をしたり、昼寝を長い時間してしまうと日周リズムが狂ってしまって、眠れなくなるだけじゃなくて、全身倦怠、食欲不振も現れる。若いうちは生体時計がセットされ易くなっているからよいが、歳をとってくると生体時計がなかなかうまく新しい環境に合ってくれなくなる。だから規則正しい生活をするのがいちばんジャ。それと、生体時計は夜12時前に眠気を催すように生まれつきセットされている。だから夜12時過ぎてから床についても深い眠りは得られないのジャ。ぐっすり眠られないといっている君はシンデレラになりなさレ。早く帰宅して、12時前にはベットにはいるのジャ。
 日本人の平均睡眠時間を昔NHKが調べたことがある。それによると、平日は7時間52分であった。多くの人は6〜9時間の睡眠をとっているようジャ。でも、5時間眠れば十分な人と、10時間は眠らないと疲れがとれない人、ヒト様々ジャ。みなさん自分の最適睡眠時間を知っておく必要があるナ。必要以上に眠るとかえって頭がぼけたり、身体がだるくなったりすることはよく経験するネ。睡眠時間は、自分の意志の力、訓練、必要性により3時間ぐらいまでは短くしても特別支障が出ないが、睡眠時間を連日4時間以下にすると昼間強い眠気が起こり、交通事故の危険が高まるから要注意ジャ。

Que Sera Sera VOL.6 1996 AUTUMN