眠りを科学しよう(2)

 今回は夢の話をしよう。ヒトの睡眠にはいろいろな段階がある。健康人の睡眠はまずノンレム睡眠で始まる。ノンレム睡眠は大脳皮質の働きを低下させるので、「脳の疲労回復」の眠りであるソウナ。ノンレム睡眠に引き続き約90分後に第1回のレム睡眠が現れる。この時には身体の筋肉の緊張が消失するので、レム睡眠は「身体の疲労回復」の眠りといわれているノジャ。このレム睡眠では身体は眠っており、脳は軽く目覚めている。このレム睡眠時に起こすと、ほとんどの人は夢をみていたという。すなわち、我々が夢をみるのはこのレム睡眠期ということになるノ−。ノンレム睡眠とレム睡眠は約90分の周期で朝まで繰り返す。レム睡眠は回を重ねるたびに持続時間が長くなり、第1回は10分前後であるが、朝方の4回目か5回目のレム睡眠は30分以上続くノジャ。だから、我々は朝方になると長いこと夢をみていることになる。しかも、レム睡眠の前後のノンレム睡眠は朝方になると浅い眠りになってしまう。そのため、朝方にみた夢はよく覚えているノジャ。もちろん真夜中にも夢はみているのだが覚えていないだけである。こんなことから、夢をみること自体は全く異常な出来事ではない。夢をよく覚えているのは、眠りが浅いのか、非常に強烈な内容の夢であるということジャ。夢をよくみるという人は朝方ウトウト惰眠をむさぼっているのかもしれないナ。

Que Sera Sera VOL.7 1997 WINTER