ノーベル賞学者田中さんの上がり症克服術

 ノーベル化学賞の田中耕一さんも上がり症だったのジャ。しかし、国際学会で発表できるほど回復できた自己行動療法がその著書に示されている。大変参考になるのでその部を抜粋させてもらった。
 「私も最近は人前でお話しする機会が増えたので、誰からも信じていただけないのですが、私自身“上がり症”で、うまく自分の言いたいことを説明できず、ずいぶん損をしてきたと思います。企業の採用試験も、そのために落ちました。その「上がり症」を会社の中でオン・ザ・ジョブ・トレーニングによって、徐々に克服したつもりでいます。なぜなら、自分の仕事をちゃんと説明できないことは、ちょっときつい言い方ですが、説明する機会を与えてもらったことに対する裏切りだと思ったからです。私は、まず、会社のなかで身近な研究仲間に説明することからはじめました。そこで自信がついてきたら、社内のほかの部署にいる面識のない人や役員に、説明しました。そこから国内の学会、さらに世界の学会で、発表しました。社外の学会で評価されることが、やりがいにつながっていきました。ここまでくると、やりがいが成果に、その成果がまたやりがいにと、プラスの方向にどんどん回転していきます。自分は“上がり症”だと思う方は、だまされたと思って試してみてください。
(田中耕一「生涯最高の失敗」70〜71ページ  朝日新聞社 2003年)
 田中さんの上がり症はまだ軽いほうだったから自分で克服できたかもしれないが、それ以上に努力の人だったのだろうとワシは考えるのジャ。「オン・ザ・ジョブ・トレーニング」をやってみよう!

Que Sera Sera VOL.36 2004 SPRING