メリハリが大切 ― 睡眠障害対策 ―

 夜寝つけない、夜中に何度も目が覚める、朝早く目覚めてしまうなどの「不眠症状」や、昼間も眠くて困るといった「過眠症状」を訴える人が増えてきています。毎日忙しい生活を送っている現代人には、慢性的な睡眠不足から「うつ状態」、「不安」、「疲労感」などの心身の不調が多くみられます。また、ストレスや不規則な生活習慣も睡眠を妨げる原因となっています。

睡眠を支配する2つの法則
 心地よい睡眠をとるためには睡眠をコントロールする2つの法則を理解することが大切です。
 第1の法則は、私たちの身体は脳の中にある「生物時計」の働きにより、昼間の活動と夜間の休憩のリズムが作られているということです。毎日決まった時刻に起きること、起床後には明るい光を浴びることなどを心がけ、脳の生物時計に朝の信号を送りましょう。また、夜には、明るすぎない照明や入浴、リラックスなどで夜の信号を送って、昼とのメリハリをつけるとよいでしょう。
 第2の法則は、寝る直前までにどれだけ睡眠が不足しているかによって、眠りの質と量が決まるということです。昼間に身体を十分に動かしたり、仕事や勉強で脳を使って疲れると、夜には深い眠りを得ることができます。

まずは規則正しい生活から
 生活習慣の改善は、最も手軽にできる睡眠障害対策の1つです。それでも不眠が1ヵ月以上続いて悩みが深くなるようなときは、医師に相談しましょう。

出典:滋賀医科大学精神医学 教授 大川匡子先生
日本医師会ニュースNo.169

Que Sera Sera VOL.37 2004 SUMMER