気海丹田に主心が住めば、
四百四病も皆消ゆる[白隠]

白隠は江戸中期の禅僧で神経症(パニック障害か全般性不安障害)を一時期病んだといわれています。「気海丹田」とは胴体の中心部、いわゆる“下っ腹”を指します。ここは本来仏性が住んでいるところです。「主心住めば」とは、そこに静寂な本来の自己があるという意識を持ち、気力を充実させれば、ということです。そうすれば病気にならず、健康を維持することが出来ると白隠は言っています。「下っ腹に住んでいる仏性」を意識する方法は坐禅です。坐禅の基本は腹式呼吸です。下っ腹での腹式呼吸でゆっくりと息を吐き吸い込むのです。そうすると、胃腸の具合が良くなるだけでなく、ストレスも消えてしまいます。つまり、坐禅は最高の健康法です。

(中野東禅著 人生の問題がすっと解決する名僧の一言 三笠書房 より)

Que Sera Sera VOL.61 2010 SUMMER