ただまさに、やわらかなる容顔をもて、
一切にむかうべし(道元)

曹洞宗の開祖、道元の主著「正法眼蔵」にあることばです。「どのような場合でも、ただ柔和な態度で臨みなさい」という意味です。難しいですね。そのためには仏陀が説かれた四無量心で人を幸せにすることだそうです。四無量心とは慈悲喜捨です。慈は人を幸せにしたいと思う心。悲とは人の悲しみを共に悲しむ。喜は人の喜びを共に喜ぶ。捨は人に施した恩も、人から受けた害も忘れ、一切の報い、とらわれの心を捨て去る心。四無量心の実践方法として、四摂法という四つの行いが説かれています。布施(施すこと)、愛語(優しい言葉をかけること)、利行(人のために行うこと)、同事(相手の気持ちになること)です。難しいですね。一つでもできるよう博士も頑張ってみます。

(中野東禅著 人生の問題がすっと解決する名僧の一言 三笠書房より)

Que Sera Sera VOL.65 2011 SUMMER