報告「藤田一照先生と行う身体で感じるマインドフルネス・ワークショップ&講話」

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海外でも活躍されている藤田先生をお迎えし、「藤田一照先生と行う身体で感じるマインドフルネス・ワークショップ&講話」を、2015年8月1日(土)赤坂クリニック8Fショートケアセンターにて開催しました。猛暑にも関わらず、定員満員で、大盛況のうちに終えることができました。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

如意棒ワーク 「坐禅は運動」

藤田先生は運動が極まった状態が坐禅であると考えており、体の知恵を邪魔しないで動くことを体感するために、如意棒(にょいぼう)ワークを行いました。
初対面の人と直感でペアを組み、ペアで1本の如意棒を使いました。一人が如意棒の両端を軽くもち、もう一人が如意棒の真ん中を軽くもち、言葉を使わずに互いの動きを感じながら、音楽に合わせて舞いました。片方が強引に動いたり命令したりするような動きをすれば、もう片方は動きづらくなります。どのペアも最初はぎこちなく動いていましたが、藤田先生のアドバイスに沿って、互いの動きを観察しながら、ちょうどよいバランスを探していきました。
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2人1組から4人1組…8人1組と増えていき、最後に人間彫刻ができあがりました。
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屍のポーズ

身体の深いところまでリラックスする屍のポーズを行いました。右腕にはじまり、左腕、右脚、左脚、首、頭、全身に対して、長い風船をイメージし、吸う息で風船がぷく~と膨らんでいくイメージで体の膨らみを感じ、吐く息で風船がしぼみ空っぽになるイメージで吐く息すべてを床に流し、身体の緊張をほぐしていきました。
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本来のあり方で体が調っていると、丹田は吸っても吐いても充実しており、鳩尾は吸っても吐いても柔らかいそうです。その状態を藤田先生は「古の身体」と表現され、身体には独自の知恵と意志があり、それ自体が自然と動くものだと教えていただきました。

坐禅

藤田先生にご指導いただきながら坐禅を行いました。
広がるボールや骨格模型を使って、身体の仕組みについて教わりました。柔らかい骨盤、背骨、首、頭のバランスを保って坐るためには、坐骨を上下左右ちょうどよい位置におき、背骨の前側に体重をかけて坐っていくのですが、筋肉を使って無理やりその状態を作ろうと思うとうまく坐れず、身体に痛みが生じてきます。身体の知恵に沿って坐禅を組み、骨で坐ることの大切さを学びました。
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藤田先生の講話

坐禅の真髄について講話していただきました。坐禅は“Choice less awareness”であり、人為的な価値判断を行わずに、起きてくる感覚に気づいていることが大切だと教わりました。坐禅を行うとき、「呼吸に集中しよう」「リラックスしよう」などと意識しがちです。しかし、坐禅というのは、人が何かに気づいているというものではなく、気づきが人を意識しており、人が気づきの対象となります。ベトナム出身の禅僧ティック・ナット・ハンは「There is no way to nirvana. Nirvana is a way.(涅槃の道はない。涅槃が道である)」と説いているそうです。つまり、探しているものはすでにそこにあるということです。
藤田先生は修行の道を次のように話していました。「八正道(はっしょうどう)では、マインドフルネスは7番目に該当します。1番目は“正見”で、正しい見解を持つことです。最初のビジョンを間違えていると、検討外れに進んでしまいます。常識の枠組みで理解して修行をしても、今までと何も変わりません。発想を転換し、修行に取り組むことが大切です。」
明日からの坐禅に変化が生じることを実感し、希望とワクワク感で満たされた一日でした。
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和楽会マインドフルネスセンターに参加を希望する方へ

和楽会マインドフルネスセンターでは、患者さんの治療プログラムとしてマインドフルネスの実践を行っています。ご参加いただくためには、赤坂クリニックでの受診が必要です。
詳しくは、赤坂クリニック受付へお電話でお問い合わせください。

赤坂クリニック
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