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剛毅果断(ごうきかだん)(ケセラセラvol.93)

医療法人和楽会 なごやメンタルクリニック 院長 岸本 智数

 

相変わらず時間があるとお昼にぶらぶらしています。先日、ノリタケの森に行ってきました。あの高級陶磁器、食器メーカーのノリタケカンパニーの本社に併設されている企業文化施設です。なごやメンタルクリニックからだと、ゆっくり歩いて、20分前後かかります。なぜノリタケの森に行ってみたかといいますと、クリニック周辺をうろうろと歩いている時にふと、地名の看板が目につきました。その看板には、「則武○○丁目」とありました。クリニックがあるのが「椿町」で、そのすぐお隣が「則武」という地名で、「のりたけ」と読みます。その時は特に考えずに流したのですが、後日ふと「のりたけ」ってもしかして食器のノリタケか?と思い調べてみました。すると、てっきり、のりたけさんという人が創業されたのだと思っていたのですが、実はノリタケは創業地である「則武」という地名に由来するそうです。ちなみに、1904年(明治37年)に森村市左衛門さんによって、日本陶器合名会社として創業されました。そういったことで、ノリタケの森という施設があることを知ったわけです。

実際に行ってみると、なんだかゆっくりとした時間が流れていて気持ちが落ち着くなと感じました。木々が植わっていて、噴水があって、ベンチがあって、パラソル型の屋根があるテーブルがあって、散歩している人、テーブルでくつろいでいる人、噴水の傍にはベビーカーで眠っている赤ちゃんとそのお父さんらしき人。レンガ造りの建物、6本の煙突が並ぶトンネル窯の跡、有料で絵付けが出来るクラフトセンターやギャラリー、レストランと食器店。本当は全部見て回りたかったのですが、気付くと午後からの診療時間が近づいて来ていたので、その日はぐるっと見て回ってクリニックに戻りました。

 

ノリタケの食器は初期のものはハンドメイドで絵付けの美しさや、細工の繊細さから世界的に人気で、オールドノリタケと言われコレクターズ・アイテムになっているそうです。人々をそこまで惹きつけるものを作ることが出来る才能は本当に素晴らしいと思います。ノリタケは食器ですが、彫刻、絵画、音楽、小説、絵本など、何もないところから人々を惹きつけるものを創造することが出来る才能は、本当にうらやましいと思いますし、そういう才能を持つ人々のことは非常に尊敬します。

さて、もし1つだけ何かが出来るようになるとすれば、どんなことを願いますか。何か国語も流暢に話せるようになりたい、スポーツで世界的な名プレーヤーになれる身体能力が欲しい、将棋やチェス、ポーカーなどで無敗のチャンピオンになりたい、一目みただけですべてを覚えられるようになりたい、どんな人とでも仲良くなれるコミュニケーション能力が欲しいなど、いろいろと思いつくことでしょう。そのどれもが、とても魅力的です。そんな中で私ならば、あらゆる人々を惹きつけ感動させることが出来る何かを、生み出すことが出来る才能が欲しいと願うでしょう。
例えば、素晴らしい歌声、ギターやバイオリンなどの超絶な演奏力、感動的な絵や彫刻を創り出す力など。歌声1つで、楽器1つで、絵筆1つで、行く先々で人々に感動を与えながら、言葉が通じなくとも人々と交流しながら世界中を旅出来たらきっと楽しいことでしょう。しかし、残念ながら現実には、歌はカラオケでかろうじて歌える程度ですし、ピアノやギターはかじったことがあるだけで今はもう全く演奏出来ず、絵などの芸術的な才能に至っては壊滅的です。実際そんな自分のことがあまり好きではない時期もありましたし、「何をしてもうまくいかない」「どうせ自分なんて」などと考えてしまうこともありました。ここ数年はどうかというと、そんな風に思うことはありません。自分のことを好きになったというのとは少し違って、ありのままの自分を受け入れるようになってきたのかもしれません。

「重要なことは、何を持って生まれたかではなく、与えられたものをどう使いこなすかである」と、アルフレッド・アドラーは言っていました。体や心といった、自分に与えられたものをどう使って行くかは、自分で選択することが出来るのです。もちろん、不満も欠点も何もない理想の自分ではなく、癖もあるしいろいろ問題や不満もある今の現実の自分を受け入れないと、使いこなすことはできません。何かになりたい、何かをやりたいと思うなら、勇気を持ってありのままの自分を受け入れ、自分を使いこなし、今までの生活を少し変える勇気を出して、まず一歩を踏み出してみましょう。やらない理由を考えるのはもうやめませんか。

 

参考書
野田俊作 アドラー心理学を語る3 劣等感と人間関係 創元社

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