ストレス講座 〜その21〜

ストレス解消体操

早稲田大学人間科学部教授

野村 忍 

 現代ストレス社会では、身体的活動を伴わない慢性ストレス状態が、問題の核となっています。例えば、筋肉が緊張したままじっとしていると、だんだん筋肉がこってきて痛くなりますが、これが肩
こり、腰痛、頭痛などの原因となります。精神的にも、緊張状態が長く続くと、だんだん疲れてきて神経過敏となります。特に、最近問題となっているテクノストレスは、心身の慢性的緊張状態を引き起こし、疲労度が格段に高いといわれています。ストレス解消の方法には、睡眠をとる、休息をする、酒を飲む、音楽を聴く、風呂に入ってくつろぐなどいろいろありますが、今回は、こうした現代社会特有のストレスを解消する方法として、漸進的筋弛緩法を基に筆者が考案したストレス解消体操を紹介します。原理は、筋肉の緊張〜弛緩を繰り返すことによって、ストレスを発散し心身のリラックスをはかるものです。実際に、緊張型頭痛、眼精疲労、肩こり、腰痛、チックなどに効果があり、好評を博しています。

 方法は、まず筋肉を5秒間くらい最大限に緊張させ、次にスッーと力を抜き、同時におなかの底からホッーと息をはきます。この力を入れた時の筋肉の緊張した感じと次に力を抜いた時のスッーとした感じの違いをつかむのがコツです。

 このストレス解消体操は、全身の筋肉のリラックスを目的としていますが、同時に精神的にもしだいにリラックスしてくるようになります。また、どこでも簡単にできて時間がかからないのがメリットです。朝おきた時、昼休み、疲れた時、夜ねる前などに毎日5〜10分で結構ですので、ぜひ行って下さい。

実際のやりかた

 

 

 

ケ セラ セラ<こころの季刊誌>
VOL.42 2005 AUTUMN