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「 うつ」の再発を防ぐには(ケセラセラvol.96春)

医療法人和楽会 横浜クリニック 院長 海老澤尚

 

「うつ」から回復し、元気に社会生活に復帰した後しばらく経って、再び「うつ」が悪化することがあります。何度も「うつ」を繰り返す場合もあります。たとえ休職・休学に至ってその時は大変でも、「うつ」が一度でおさまってしまえば、長期的には徐々に影響も薄れてきます。しかし何度も繰り返すと自信が低下したり、同僚や家族が心配することもあります。そこで今回は、「うつ」の再発を防ぐにはどうすれば良いか、ご紹介したいと思います。


1.早寝と十分な睡眠時間
特に復職したばかりの頃は、「休んだ分を取り戻そう」「周囲に負担をかけた分頑張らねば」と考え、過度の残業をしたり、仕事を家に持ち帰るなどして睡眠時間が短くなる場合があります。しかし、6時間未満の睡眠では、6時間以上よりもうつになるリスクが約1.6倍という研究があります(ケセラセラVol.84参照)。短時間睡眠は「うつ」の再発リスクを高めます。

2.飲酒を控える
過度の飲酒は睡眠の質を悪化させたり、「うつ」からの回復を妨げることがあります(ケセラセラVol.85参照)。

3.服薬
初発のうつ病では、回復したあと4~9カ月間程度服薬を続けることを勧める欧米のガイドラインが多い(双極性障害など他の疾患から生じた「うつ」では事情が異なります)ですが、早く中止しすぎると再発のリスクが高まることがあります。また、9カ月間服薬を継続しても、中止すると再発する方が残念ながら一部いらっしゃいます。服薬を中止する場合、いつ頃どのように中止するか、または当分継続するのか、主治医とよく相談するようにしてください。

4.振り返り(この方法は、基本的に「うつ」から回復した方が主治医と相談の上実行してください。理由は後で述べます。)
今までの自分の生活を振り返ることも有益です。これは復職プログラム(リワークプログラム)でもよく行われている方法で、特に「うつ」になった頃の自分の生活や仕事ぶり、周囲の人たち(家族、上司、同僚など)との関わりなどの「自分史」を書きだし、「うつ」が発症・再発するきっかけになる出来事を考えるのです。
例えば、調子が悪くなる前には、仕事量が増え帰宅が遅くなる、異動などで環境が変わる、家族や職場(学校)の人との人間関係がうまくいかなくなる、などということはないでしょうか。いつも同様のきっかけがある場合、それを繰り返さないようにする、あるいはそのような状況になったら早めに対応する、ことが再発防止に有効な場合があります。診断や治療法の見直しにつながることもあります。ただし、まだ「うつ」が十分回復していない時に「振り返り」を行うと辛かった記憶がよみがえり、ストレスを感じてかえって「うつ」が悪化することがあります。従って、最初に述べたように、回復後にあらかじめ主治医の意見を聴き、相談しながら進めるようにしてください。

 

今後について

さて、私事ですが、2019年4月末をもって和楽会横浜クリニックでの4年間の勤務を終えることにいたしました。ケセラセラへの寄稿もこれが最後となります。今後は東京のクリニックでうつ病をはじめとするこころの病の診療に取り組む予定です。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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