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病(やまい)と 詩(うた)【55】①ー ドナルド・トランプと新型コロナウィルス ー(ケセラセラvol.101)

東京大学名誉教授 大井玄

新型コロナウィルス感染流行について前回書いたのは2月末だった。当時(2月21日時点)、世界の感染者と死者はそれぞれ74,500人、2,100人を超えたばかりだった。
最近(5月17日)、米国のジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、感染者数は約463万人、死者数は約31万人という。世界の各地で、感染者がうなぎ登りに増加しているカーブが目に浮かぶ。

最多は米国で150万人に迫り、全体の3割以上を占める。なぜそんなに多いのか。

2019年12月、中国武漢でこの感染症の最初の症例が報告されたとき、習近平政権が事実を隠蔽したために、流行の増大に火がついた経緯については触れた。最初の2か月間、武漢には500万人の出入りがあったという。

 

米国ではトランプ大統領の状況把握が、楽天的でお粗末極まりない。ところが、常識的には大失態の状況からするりと抜け出る彼の技は、まさに曲芸師のようだ。主な手法は、責任転嫁と、白を黒と言いくるめる虚言、誇張である。

1月22日:彼はCNBCの記者から「このパンデミックについて、現在、ご心配はありませんか」と訊かれ、「いやまったく。我々は完全にコントロールしている。中国からは一人だけしか入っていない…大丈夫だよ」

1月24日:トランプのツィート。「中国はコロナウィルス流行拡大阻止に懸命だ。私は習主席に感謝している」

1月31日:コロナウィルス感染拡大防止を理由に、彼は最近中国を訪ねた外国籍の者の入国を禁止した。

2月25日:トランプ政権のクドロウ経済顧問は断言した。「流行は防止した、完全にとは言わんがね」

2月27日:トランプは言う。「そのうちに、奇跡的に、それは消えるよ」

3月7日:彼の所有するマララゴ・ホテルで、大言壮語の盟友ボルソナーロ・ブラジル大統領とその家族をもてなしコンガを踊る。ボルソナーロはコロナウィルス感染症を「ちょっとした風邪」と呼んだ。(ブラジルの感染者数は、5月下旬25万人を超え、英国を抜き、世界第3位になった)

3月9日:トランプのツィート。「何も閉鎖されていない。生活と経済は続く。現在、感染確認者は546人、死者22人」

3月13日:フォックス・ビジネス・ニューズ(トランプ支持のテレビ)の司会者が、ダウ・ジョーンズの平均株価がその日1,985ポイント上昇したチャートを誇らしげに見せびらかした。チャートはトランプが署名して送ったもの。その前日2,352ポイントという記録的下落をしたが、トランプは自分のコメントにより上昇したのだと示唆しているのだった。

3月16日:週が明けて、ダウはまた2,997・10ポイント下落した。

3月17日:トランプは質問に立った記者に応える。「これはパンデミックだと思っていたさ、パンデミックだと呼ばれるずっと前からね」

4月14日:トランプはWHO(世界保健機関)への拠出金を止める意向を表明する。その理由は、「昨年12月の時点で、中国武漢からの情報でヒトからヒトへの感染を疑うべき根拠があったのに、WHOは調査しなかった。基本的な義務を怠り、その過ちによって多くの人たちが死亡した。その責任を取らなければならない」
彼はWHOが中国寄りであると批判もしていた。

4月16日:毎日新聞は、米のWHO拠出金停止について「自分第一では収束せぬ」と題した社説でトランプ大統領を批判。「米国の感染者は60万人に達し、死者数も2万人を超えた。ともに世界最悪の状態だ。主な責任がトランプ政権にあるのは明らかだ。トランプ氏は当初から『状況は管理できている』と楽観的な見方を繰り返し、十分な準備をせずに対応が後手に回った。
11月の大統領選への影響を懸念し、WHOに責任転嫁して政権批判の矛先をそらす狙いがあるとするなら、あまりに身勝手な姿勢と言わざるを得ない」

~②につづく~

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