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医療法人和楽会の「フクロウblog」です。治療や講演会などの様々な情報をお届けします。

マインドフルネスの臨床効果と脳科学 ③ マインドフルネスを続けると長生きしますか – その2(ケセラセラvol.95 冬)

医療法人和楽会 理事長 貝谷久宣

 

前回に引き続き瞑想により寿命が延びるかどうか検討しましょう。

スペインには曹洞宗寺院がバレンシアとセビリアにあり、本格的に坐禅をする人がかなり多数いると思われます。研究対象となった人達は、1日平均90分前後、10年以上坐禅をしている20人、両群とも男性14名で平均年齢48歳でした。テロメア長は白血球から分離したDNAで検査されました。坐禅群でのテロメア長は10・82±0・23kb、対照群では9・94±0・19kbで坐禅群のほうが統計学的有意にテロメアは長いことが明らかにされました(p<0・001)。また、テロメアが短い白血球の数は有意に少ないことが明らかになりました(p<0・005)。このように坐禅を続けた人はテロメアが長いだけでなく、セルフ・コンパッション尺度が高得点であり、さらに、体験回避の程度が低いことが明らかになりました。 続きを読む


病(やまい)と詩(うた)【43】 ー墓穴を掘るのか?ドナルド・トランプ大統領ー (ケセラセラ vol.89 夏)

東京大学名誉教授 大井玄

 

トランプ大統領は、もともと不動産屋で、テレビショーの司会者がたまたま大統領になったにすぎない、と嘆くアメリカ人も多い。
たしかに、いまや3000万人ともいわれる彼のツイッターのフォロワーがいなければ、大統領にはならなかっただろう。彼はデジタル時代の申し子である。
前回断ったように医師としての私が興味を持つのは、彼の性格的特徴であって、私の愛する認知症高齢者とおどろくほど共通するところと、まったく異質なところがあるからである。
共通する性格特徴は、嘘だとは思わないで嘘をつくこと、誇り高く、過ちを認めることは絶対にしないこと、さらに不安を容易に怒りに転化させることである。ただトランプ氏が直ちに腹を立てるのは、その性格的未成熟さによる。

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病(やまい)と詩(うた) -ウィリアム・S・クラーク先生(4)-(ケセラセラvol.80 春)

東京大学 名誉教授 大井 玄

 

親切な教師

 
中国の作家魯迅は、仙台医学専門学校に留学中、解剖学教授の藤野厳九郎に毎回ノートを見てもらい添削してもらったことを短編「藤野先生」に書いている。日本語が完全ではない彼にとって、身に沁みる親切だった。クラークは植物学をも教えたが、植物の学名はすべてラテン語であり、その素養のない学生たちは、筆記に大変な苦労をした。彼は学生たちのノートを実に丁寧に見てやり、その間違いを直してやっている。これはまた英語作文能力を高めるおそらく最良の方法であったが、教師にとっては非常な労力が必要になる。彼がウェブスターの英語辞書を沢山用意してきたおかげで、学生たちは勉強時、各人が一冊自由に使えたのである。
クラークの学生との接触は緊密で、夜、自分の宿舎で定期的に学生と会い、ひざを交えていろいろ話をしてやった。学生は話の面白さに釣り込まれただけでなく、先生が靴下をかがったり、ミカンを盛んに食べたりする姿にも惹かれた。

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不安のない生活(25) ミュンヘンの思い出 その3(ケセラセラ vol.80 春)

医療法人 和楽会 理事長 貝谷 久宣

 

前回、狂気のバイエルン王ルードビッヒⅡ世について触れたが、このことについてもう少し書き綴ろう。

この王様は中世騎士道に憧れ、ワーグナーを寵愛し、彼のオペラの世界に酔いしれた。そして、ヴェルサイユ宮殿をはじめとするいくつかの城をワーグナーと共に巡った。ルードビィヒⅡ世は、自分の中世の浪漫の世界を再現する理想的な城を造ろうと考えた。その城がドイツ観光の目玉の一つとなっているロマンティック街道の終点フッセンの近くに位置するノイシュバンシュタイン城である。

この城がほぼ完成したのが1886年で、その8年前にはやはりミュンヘンの南西オーバーアマガウの近くにリンダーホーフ城を作っている。この城はノイシュバンシュタイン城に比べるとずっと小さく、独特で瀟洒なおもむきを持った美しい建物である。私はこれらの城が気に入りミュンヘン滞在中に何度も訪れた。

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日本マインドフルネス学会第2回大会が開催されました


2015年8月29日(土)、30日(日)の2日間にわたり、早稲田大学国際会議場にて日本マインドフルネス学会第2回大会が開催されました。

 

【学会1日目】

1日目は研修会で、研修会Ⅰは、学会会員限定の研修会であり、企画・司会・ファシリテーターが学会理事長越川房子先生(早稲田大学教授)で、「事例に学ぶマインドフルネスの適用と工夫」~虐待の影響によりPTSD症状を呈する子どもたちへのマインドフルネスの適用とその工夫~ という内容で、マインドフルネスを臨床で実践している先生方より事例の報告と児童を対象としたマインドフルネス・ヨーガの体験でした。

研修会Ⅱは、学会会員以外も参加可能な研修会で、井上ウィマラ先生(高野山大学教授)の「自分を見つめ、他者を見つめ、関係性の中で覚知を高める」~マインドフルネスにおける内外の視点~ と、坂入洋右先生(筑波大学体育系教授)の「自律訓練法の実際」~マインドフルネスと受動的注意~ でした。その後、菅村玄二先生(関西大学准教授)と伊藤儀徳先生(琉球大学教育学部准教授)を講師として「マインドフルネス実践Q&A」がありました。会場の参加者からのマインドフルネス実践に関する質問や疑問に、マインドフルネス第一人者の先生方が回答という企画で、時間が足りないほど活発な議論がされ、マインドフルネスに対する関心の高さと実践される先生方の熱意の高さが感じられました。研修会終了後には懇親会が行われ、マインドフルネスに携わる先生方と情報交換や交流を深めました。

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