フクロウblog | 2013 | 11月

医療法人和楽会の「フクロウblog」です。治療や講演会などの様々な情報をお届けします。

父の贈り物 (ケセラセラvol.73)


医療法人和楽会なごやメンタルクリニック院長 原井宏明

子どもが親に似る
子どもが親に似るのは誰でも良く知っている当たり前のことです。子どもが生まれたとき、その子が自分に似ているかどうかは親にとって気になることでしょう。ここはお父さん似、ここはお母さん似、あるいは祖父母似などとあれこれ家族で似ているところを探すのがよくあるでしょう。では子どもが大きくなったときはどうなのでしょう。子ども自身が大人になり、自分が誰かに似ていると思うことは? 最近、50代の私が昔の父に似ていることを人から知らされることがありました。そしてこれも父から私への贈り物の一つでした。
続きを読む


食生活を考えるマインドフルネスセミナー

こんにちは!横浜クリニック心理士の石井です。

11月に入り、秋本番となりましたね。この時期は何を食べても美味しく感じられ、ついつい食べ過ぎちゃってウェイトオーバーになっちゃった…なんてことはありませんか?

食事は私たちの身体とこころに栄養を与えてくれ、毎日の生活に欠かせないものですが、食事を摂ることが当たり前すぎて、つい「ながら食い」「気晴らし食い」「寂し食い」をしてしまいがちです。食生活の乱れが、心を荒らしていくこともあります。

このセミナーでは、さまざまなエクササイズを通じて、自分の身体とこころに耳を傾け、瞬間瞬間の大切な感覚に気づいていくトレーニングを行っていきます。そして、「何を食べるべきか」ということではなく、「どのように食べたらいいか」(マインドフルな姿勢)を学んでいきます。ぜひ『食べる』ことの喜びや感動を一緒に体験していきましょう。

【セミナー参加者の感想】
・食事との向き合い方って大切だと思った。実生活に生かしたい。
・普段の食べ方とは全然違うので、とても面白かった。
・ヨーガで体がすごく楽になった。

◇開催日 毎週水曜 11:00~13:00 ※第2週の水曜:ヨーガ療法
◇場所  横浜クリニック内
◇形式  1名~  要予約(前日までにご予約ください)
◇費用  約2,300円(保険適用)

横浜クリニック TEL:045-317-5953

東京マインドフルネスセンター
東京マインドフルネスセンターでも「マインドフルネス」を実践することがでいます。隔週火曜日と土曜日に開催しています。


不安のない生活 (18)東京マインドフルネスセンターの開設

医療法人 和楽会 理事長 貝谷久宣

前々回のこの欄でマインドフルネスについて紹介いたしました。しかし、日本では患者さんを対象としたマインドフルネス・セミナーはいまだ実施されていません。医療法人和楽会では本邦で先駆けてマインドフルネスセンターを開設して、セミナーを定期的に開催することにしました。その経緯について簡単にお話したいと思います。昨年11 月に「マインドフルネスストレス低減法」の創始者のカバットジン博士が来日し、セミナーやワークショップが開かれたことは前々号で述べました。その後、石井心理士が「味わう生き方」(テック・ナット・ハン&リリアン・チェン著、大賀英史訳、木楽舎、2011)をテキストとしてマインドフルネス・セミナーを横浜クリニックで開催しました。このセミナーに興味を持つ患者さんがたくさんおられたことから、4月14日に鎌倉山クリニックで1日のリトリートを開催しました。その内容は、朝10時からまずマインドフルネスに関する簡単な講義の後、香道御家流理事長熊坂久美子先生の指導で「安珍と清姫」から題材をとったお香が儀容をもってしかし楽しく行われました。お昼は鎌倉の仕出し屋からとった弁当を「味わう生き方」にそって噛み締めました。午後は、お茶の時間をはさみヨーガと坐瞑想が行われました。終了後のミーティングでは15人の参加者からの意見は大変好評で満足がいくものだったようです。マインドフルネス・マインドの進み具合をリトリート開始前後で調査させていただきました。その結果、日常生活の行動における「感覚への観察」、辛い考えや強い感情に動揺せずに、それらをほっておくことができる「非反応性」、“好き嫌い”、“よいわるい”といった価値判断をしない「判断しない受容」といった項目の指数が増加していました。それに伴い、肯定的気分や不安気分も統計的有意に低下しました。  続きを読む


なかなかやる気が起きない時(その四)

ケセラセラの63号、65号、66号に同じ題名でコラムを書きました。

→和楽会ホームーページ ケセラセラ

今回は、そのシリーズの四回目になります。今回は、このテーマに関連して、ある本の内容を少しご紹介したいと思います。

<やらなければならないことがあると、ほかのことがしたくなる>
アメリカの有名な心理学者、哲学者であるウィリアム・ジェームズ(一八四二年~一九一〇年)の著した『心理学』という本が、岩波文庫から上下巻に邦訳されていまして、しばらく前にこの本を読みました。一八九二年に書かれた専門家向けのかなり古い本なのですが、現代にも通じる示唆に富んだ内容にあふれていました。
その中で「第十三章 注意」の項に書かれていたことを、まずはご紹介しましょう。
注意ということは心理学的にどういうことかについて述べられ、注意の種類(『受動的、反射的vs能動的、有意的』など)について説明されます。そして能動的あるいは有意的注意(いわば意識を集中するということです)には、努力を要するということが述べられて、さらに、気が重くなるような対象(気が乗らない仕事であるとか、家の片づけであるとか、試験勉強などなど)に対して注意を持続することは、非常に困難なことであって、人はできるだけ、そこから気を紛らそうとするものであることが説明されます。そして具体的な事例が示されます。「…(この傾向は)脳が疲労しているときには特に著しい。人は今しなければならない仕事の厭いとわしさから逃れるために、どれほど些細で無関係の口実であってもそれに跳びつくのである。…椅子を置き直してみる、床の上の塵を拾ってみる、テーブルを並べてみる、新聞を取りあげてみる、何でもよいから目にとまった本を手に取ってみる、爪を切ってみる、…要するに予め何の考えももたないで何とかして午前中を費やそうとする…」そして(ジェームズ自身も)大嫌いな午後からの形式論理の授業の準備をすることを避けようとするのだそうです。これを読んでいて、私も学生時代に試験が近づくとなぜか小説や漫画が読みたくなって試験勉強を先延ばしにしてしまっていた
ことを思い出しました。
続きを読む