フクロウblog | 2016 | 10月

医療法人和楽会の「フクロウblog」です。治療や講演会などの様々な情報をお届けします。

病(やまい)と詩(うた)【40】 ー夏の海ー (ケセラセラ vol.86 秋)

東京大学名誉教授 大井 玄

 

先日、水俣から一冊の本が届いた。矢吹紀人著『終わっとらんばい!ミナマタ―看護師・山近峰子が見つめた水俣病』である。水俣協立病院で顔見知りの峰子さんの、私の知らぬ歴史だった。

彼女は1953年、チッソ水俣工場から直線で2キロほど離れたところで生まれたが、物心つく頃には近所で「奇病」の患者が何人もいた。同い年の田中実子ちゃんは、3歳で発症した小児性水俣病患者だった。父親の池田弥平さんは畳職人だったが、1966年の冬の朝56歳で突然倒れ、その後は寝たきり状態になった。母親は近所の農家の畑仕事を手伝い、生活を支えた。

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平成と西暦 (ケセラセラ vol.86 秋)

医療法人和楽会 心療内科・神経科 赤坂クリニック 院長 吉田 栄治

 

平成と西暦、今年が何年だったか、皆さん、混乱されませんか?

私は最近、しばしば混乱してしまって、老化の始まりでしょうか。今年がまだ平成26年のような感じがしてしまい、一方で西暦は2018年と勘違いしてしまうんですね。どういうわけか、私のイメージの中で平成が26年で止まっていて、西暦はもうすでに2018年になってしまっている。不思議な感じです。

つい先日も、精神保健指定医の更新手続きの通知が届いたんですが(5年ごとの更新になります)、平成29年3月で期限が切れるので更新のための講習会を受講して下さいというお知らせです。それを見て、平成29年って、まだ3年も先なのにどういうことかな?と、一瞬疑問に思ってしまったわけです。ところがよくよく考えてみたら、あ!今年は平成28年だった、平成29年は来年ですよぉ…と、ちょっと自分の勘違いに愕然としてしまいました。

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睡眠障害について (ケセラセラ vol.86 秋)

医療法人和楽会 横浜クリニック 院長 海老澤 尚

 

睡眠に悩みを抱える現代人は少なくありません。一般成人の約20%が睡眠に問題を感じているという調査もあります。睡眠に関わる症状は大きく3つに分けられます。「眠れない、途中で目が覚める、眠りが浅い(不眠)」と「昼なのに眠い、居眠りが多い(過眠)」、および「眠っているとき不自然な行動・動きをする、寝ぼける(睡眠随伴症状)」の3つです。それに対して睡眠障害の分類でよく使われる国際睡眠障害分類第2版(ICSD?2)では、80以上の疾患名が挙げられています。多くの疾患に分けられている理由の一つは、それぞれ適切な治療法が異なるからです。ここでは、しばしば当院でも診断されることの多い睡眠障害―睡眠覚醒リズム障害(概日リズム睡眠障害とも言います)[睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、非24時間睡眠覚醒症候群など]、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、レム睡眠行動障害―について改めてご説明します。

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Yさんと「幸か不幸か」 (ケセラセラ vol.86 秋)

医療法人和楽会 なごやメンタルクリニック 院長 原井 宏明

 

今では手洗いや確認、こだわりの患者さんばかり見ている私ですが、最初からそうだったわけではありません。1986年、佐賀県にある国立肥前療養所に就職したとき、私が担当していた患者さんは統合失調症やアルコール依存症、うつ病、てんかんなどでした。その中に忘れられない患者さんが1人います。

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不安のない生活(30) 呼吸について(3) (ケセラセラ vol.86 秋)

医療法人和楽会 理事長 貝谷久宣

 

呼吸は吸って吐くのか吐いて吸うのかどちらが先か考えたことがありますか? このシリーズの初めに、人は生まれてくるときオギャーと言って息を吐き、死ぬときは息を引き取って天国へ行きますと記した。「呼吸」という言葉自体も吐く方が先で吸う方が後である。ある会議で山岳家の今井通子さんが、「息は吐いてから吸うものですから」とおっしゃっていた。なるほど、登山する人は息を吐いて登り、そして吸ってまた登るものだなと思った。

筆者は、吐くのが先か吸うのが先か疑問を持つようになった。というのは、瞑想では呼吸に注意を集中するのだが、瞑想の指導の仕方が流派によって異なっているからである。坐禅瞑想の場合、曹洞宗や臨済宗の多くの大乗仏教の指導者はまず息を吐くと述べている。ところが、小乗仏教のアーナーパーナーサティ・スートラ 安般守意経―入息出息に関する気づきの経―では息を吸う方から始まっている。アーナーは息を吸うことであり、パーナーは息を吐く意である。サティを昔は守意と訳していたが、現在ではマインドフルネス、すなわち、気づきと訳されている。その経には次のように記してある。“瞑想修行者は息を吸い、気をつけて瞑想修行者は息を吐く”と。そして、“「全身を感じながら息を吸おう。全身を感じながら息を吐こう」と訓練する”と最初の4考察目に記されている。

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