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睡眠障害とうつ病の話 ②下肢静止不能症候群(むずむず脚症候群)(ケセラセラvol.74)

医療法人和楽会 横浜クリニック院長 工藤 耕太郎

下肢静止不能症候群という病気があります。むずむず脚症候群と呼ばれることもあります。この病気は夕方から深夜にかけて、主に下半身に違和感を感じることにより眠りにつくのが難しくなったり、イライラが生じることがあるというものです。また、下肢静止不能症候群は入眠後、手足が突然動くといった周期性四肢運動障害と表裏一体の関係があり、断眠を繰り返すことが知られています。主に下半身と記載したのは、患者さんによっては違和感を感じる部位は上半身であったり背中であったりすることが稀ではないのです。違和感についても「むずむず」「皮膚の下を何かが這いまわるような感じ」「熱い感じ」「冷たい感じ」と多彩であり、結局のところ「じっとしていられなくて寝返りを打ち続ける」としか症状を総称できないからです。若年性発症(10代)の患者さんの場合、夜、布団の中で動き回るのが習慣になっており、違和感自体を感じていない場合もあります。

精神科臨床において、この病気がなぜ必要かというと、前回お伝えした睡眠時無呼吸症候群と同様に睡眠不足症候群と同様の症状を呈することが多いからです。

睡眠不足症候群という病名は聴きなれない方が多いと思います。睡眠不足による症状を総称したものと考えていただければよいと思います。その症状は
午後2時以降の異常な眠気
身体のだるさ
寝不足感
些細なことでイラっとしやすくなる
集中力・思考力の欠如
急に不安になる
他者に対して攻撃的になる
などがあげられます。

睡眠の質が悪くなる下肢静止不能症候群は上記の睡眠不足症候群と同様の症状が出現することが多く、精神疾患と間違われることが多くなります。

下肢静止不能症候群は、そのような精神症状に加え強い入眠困難が生じることが多いため、精神科を受診することが多くなります。下肢静止不能症候群の有病率は5~10%とヨーロッパでは報告されており、うつ病よりはるかに有病率が高い病気と言えます。さらに2005年のWinkelmannの報告によれば下肢静止不能症候群の患者さんは、全般性不安障害、うつ病、パニック障害の診断基準を満たすことが多いとされており、この病気の鑑別は精神科一般臨床では非常に重要なものと考えられます。

下肢静止不能症候群の診断をきちんとつけることの重要性を強調するのにはわけがあります。この病気は、全般性不安障害、うつ病、パニック障害でしばしば用いられる、抗うつ薬や抗精神病薬で悪化することが知られています。従って、初診時にこの病気をきちんと除外せずに抗うつ薬や抗精神病薬を処方してしまうと、受診前よりも、症状が悪化することが多くなります。

さて、では下肢静止不能症候群はどのような原因で発症するのでしょうか。原因がわからない特発性下肢静止不能症候群という状態もあるのですが、甲状腺機能低下症、糖尿病、鉄欠乏によって生じる場合もかなりあります。従って、初診時には必ずこれらの病気の除外のために採血が必要になります。原因が明らかな場合は、その対処を行えば大抵の場合、症状は改善します。特発性下肢静止不能症候群であったとしても、現在は薬物療法が十分に検討されており、1~2週間で症状改善する場合が多いと思います。

寝つきの悪さと、布団の中で動き回るという症状が存在するのであれば、ぜひご相談ください。

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