PTSD:心的外傷後ストレス障害とは

 最近ではPTSDという略語がよく使われていますが、正式にはPost-traumatic Stress Disorder、もしくは心的外傷後ストレス障害といいます。

 PTSDは、生命の危険にかかわるような重大な事件を自分自身で体験するか、あるいは他人が体験するのを目撃し、激しい恐怖やストレスなどにおそわれることが出発点になります。
PTSDの原因となるストレスは、母親にひどくしかられるなど、日常的なものではなく、大災害や事故で重傷を負う、激しい虐待を経験する、戦争で捕虜になり拷問を受けるなど、すさまじい恐怖や苦しみの経験です。
ただし、激しい恐怖体験をした人がすべてPTSDになるとは限りません。
多くの場合は自然に回復していきますが、少数のトラウマ体験者にPTSD症状が持続し、慢性化し日常機能を障害してしまうのです。
PTSDの発病には、与えられたストレスの強さと、与えられた人の感受性の程度(ストレス耐性)が相互関係するのです。

PTSDのTは「トラウマ(Trauma)」の頭文字です。トラウマとは心的外傷、つまり心の傷です。
PTSDの体験は、人間の対処能力を超える圧倒的な体験で、その人の心に強い衝撃を与え、元にもどすことができないような変化を与えます。

 現在の日本では、男性では交通事故、女性では性的暴行によるPTSDがもっとも多くなっています。

PTSDの症状

事件後、多くは半年以内に、次のような症状があらわれます。

  • ストレス源となった事件に関する思い出が、自分の意思に反して、繰り返しあらわれる(フラッシュバック)。
  • 事件についてのいやな夢を何度もみたり、まるでその事件のなかにいるように行動する。
  • 事件を象徴するような事柄にふれると、激しく心が痛み、不安の身体症状(手のふるえ、息苦しさ、冷や汗、胸痛、心悸亢進、ときにパニック発作)があらわれる。
  • 事件と関連する事柄を避ける、事件を思い出すことができなくなる。
  • 睡眠障害、イライラする、集中ができない、おどおどする、小さなことにすぐびっくりするなど、神経の過敏状態を伴う。

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PTSDの治療法

 PTSDの薬物療法では、SSRIが第一選択薬であるといわれています。
また、持続エクスポージャー法といった認知行動療法やEMDRなどの心理療法も治療効果があると報告されている。