社交不安障害とは

 人前に出れば、だれでも多かれ少なかれ不安や恐れを抱くものです。しかし、この不安や恐怖や恐れが過剰となると、悩みや苦痛が大きくなり、社会生活にも支障をきたしてしまうのです。以前は、「気の持ちよう」「性格の問題」とされることもありましたが治療の対象となるれっきとした病気なのです。10人に1、2人がかかるといわれるほどポピュラーな病気です。

社交不安障害チェックリスト

 人によって不安や恐怖の対象はさまざまです。下記は社交不安障害の代表的な恐怖状況です。

  • スピーチ恐怖

    社交不安障害の中で訴える人が最も多いタイプ。
    会議や披露宴などでスピーチをする際、頭が真っ白で声が出なくなったり、不安で声が震えたりして強いプレッシャーを感じます。
    人前に立つ機会が増えた人にあらわれやすく、他の状況ではほとんど不安を感じない人が多いのも特徴です。
  • 赤面恐怖

    人前に立つと顔が赤くなったり、異性の前に出ると赤面することが恥ずかしいために、人に注目される場面を過剰に意識したり、人が集まる場所を避けるタイプ。
    特定の場面で顔が赤くなっているのを指摘され、以来人前が苦手になる場合もあります。
  • 対人恐怖

    学校や会社で、自分以外の人は皆仲が好さそうに見え、孤立したように感じる。
    他人とのつきあい方やコミュニケーションの方法がわからない。
    他人の存在を過剰に意識し、緊張感や苦痛を感じる、対人恐怖の典型的なタイプです。
  • 電話恐怖

    ほかの人に聞かれていると思うと、オフィスで電話をとれない。
    電話が鳴ると胸が高鳴り、おかしな人と思われるのではないかと思い、電話をとっても言葉が出ない。
    この電話恐怖は、会社勤務の若い女性に多いタイプです,また、電話の相手を気にするタイプもあります。
  • 会食恐怖

    食べているところを他人に見られると、緊張して食べられない。自分の立てる音が気になって、のどが詰まる。
    それでおいしそうに食べられないと、同席者に申し訳ないと悩むなど、人前で食事をすることを極端に恐れるタイプです。
  • 視線恐怖

    人が自分に注目して、うわさをしている気がする、自分の行動を観察されているようで落ち着かない、といった他人の視線が怖いタイプと、自分の視線が相手にいやな感じを与えてしまうことを恐れるタイプの両方があります。
    前者が重症になり妄想的になると、別の病気(統合失調症など)の可能性も。
  • 書痙

    黒板に字を書く、窓ロで申込書に記入するなど、人前で字を書こうとすると手が震え、書くことがむずかしくなるタイプ。
    人から変に思われるのではないかと思うと、ますます震えたり書けなくなったりしてしまいます。
  • 振戦恐怖

    職場で来客にお茶を出そうとすると、手が震えてしまう。
    上司にチェックされているとパソコンを打ち込む手が震えて、ますます緊張する。
    このように人と接する場面で、手や足など体が震えてしまい、そうした場面が怖くなるタイプです。
  • 発汗恐怖

    人から話しかけられると、緊張してぐっしょりと汗をかく、仕事で接客をしていると、額からポタポタと流れるほど汗をかき、タオルが手放せないなど、人と接する恐怖や緊張のあまり、大量の発汗をするタイプです。
  • 腹鳴恐怖

    会議中や講演会などで、おなかが鳴るのではと心配でたまらないタイプ。
    そのため人が集まる場所を避けたり、食事時間でなくてもおなかに充分食べ物を入れてから出かけないと安心できなかったりします。
  • 自己臭恐怖

    汗のにおいやロ臭など、自分の体のにおいが人にいやな思いをさせているのではないか、と気になり、人との接触を避けるようになるタイプ。
    重症になって「人が自分を避ける」といった思い込みが確信的になると、「妄想性障害」という別の病気の可能性もあります。

社交不安障害の症状があてはまると思ったら・・・

社交不安障害の治療法

 社交不安障害は、病院で出される薬がよく効き、受診することで驚くほど楽になる病気です。 つらい症状が続き、仕事や家事など生活に支障が出たとき、不安に加えて落ち込みがあるときは、早めに病院を受診しましょう。
つらい症状は性格の問題ではなく、適切な治療で治ることを認識することも大切です。 また、心理療法のひとつである認知行動療法を併用して、物事のとらえ方を見直したり、恐怖場面に対処する方法を身につけることも役立ちます。

 医療法人和楽会では、心理士による認知行動療法も常時行っております。
また、心療内科・神経科赤坂クリニック横浜クリニックでは「社交不安障害に対する集団認知行動療法」も行っております。